禁煙のススメ
喫煙は、動脈硬化を促進し心筋梗塞など心臓血管系の大きな病気を引き起こしたり、COPD*など呼吸器の病気を招いたりします。肺がん、喉頭がん、食道がん、膀胱がんなど、様々な部位のがん(悪性腫瘍)の発生の原因であることも確認されています。禁煙により、こうした病気の予防、およびリスクの軽減が期待できます。 また、タバコは本人だけでなく、「受動喫煙」により喫煙者以外の人にまで健康への悪影響があります。「受動喫煙」の影響を一番受けやすい大切なご家族のためにも、禁煙をお勧めいたします。
*COPD:慢性閉塞性肺疾患。タバコの煙などの有毒物質を長期間、吸入することによって生じる肺の炎症性疾患。
喫煙習慣は一種の薬物依存
喫煙習慣は単なる嗜好によるものではなく、一種の薬物依存です。 タバコはニコチンの作用がもたらす脳や身体への快感による依存(身体的依存)だけでなく、ホッとする、スッキリするといった気持ちの上での依存(心理的依存)が重なっているため、なかなかやめることができません。タバコをやめられないのは、意思が弱いからではなく、ニコチンのもつ強い依存性が原因なのであり、ニコチン依存症は治療が必要な病気と考えられています。
禁煙外来では、医師のアドバイスと併せて禁煙補助薬を処方してもらえるので、禁煙の成功率は大きく高まります。
- ▼ 当クリニックの禁煙外来
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当クリニックの禁煙外来
当クリニックでは「禁煙外来」を設け、禁煙補助薬や生活指導を駆使した禁煙のお手伝いをしております。禁煙治療をご希望の方はお気軽にご相談ください。
禁煙補助薬 「チャンピックス」(飲み薬)
当クリニックでは禁煙補助薬として、「ニコチン切れ症状」(イライラ感や焦燥感など)を軽減するほか、タバコをおいしく感じにくくする「チャンピックス」という飲み薬を処方しています。 禁煙開始予定日の1週間前から服用を開始します(1日2回食後)。飲み始めの1週間はタバコを吸いながら服用し、8日目に禁煙を始めます(タバコを自然に吸わなくなったような場合は、8日目を待たず、早めに禁煙に入ります)。服用期間は通常、合計12週間です。途中で服用をやめたりせず、医師の指示どおりに服用を続けてください。
健康保険で受けられる禁煙治療
禁煙治療は、現在は健康保険が適用されており、患者さんの負担も軽くなりました。ただし、健康保険適用には一定の要件があり、1回目の診察で医師が確認することになっています(要件を満たさない場合でも「自由診療」で禁煙治療を受けることができます)。 標準的な健康保険適用の禁煙治療では、「12週間にわたり、合計5回の診察」が行われます。
健康保険で禁煙治療を受けるための要件
- ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 【35歳以上の方】ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
(例)25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら 15(本)×20(年)=300であり、対象となります。 - すぐに禁煙したいと考えていること
- 医師から受けた禁煙治療の説明に同意、説明内容に納得された時は、文書で同意します(サイン等)。
※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年が経過しないうちは「自由診療」となります。
禁煙治療を受けた場合の費用比較例
禁煙治療(自己負担3割として)は、処方薬にもよっても異なりますが、目安としては8~12週間で13,000~20,000円程度です。1日1箱喫煙する方なら、8~12週間分のタバコ代よりも、保険診療で禁煙治療を受けた場合の自己負担額のほうが安くなる計算になります(詳しくはお問い合わせください)。
8~12週間分のタバコ代 24,000円 ~ 36,000円 8~12週間分の禁煙治療費
(3割自己負担額)13,000円 ~ 20,000円